隣のハットさん!

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ニッポンらぶなハット家のお騒がせ奮闘記 in Canada!!

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次はあなたかもしれないオーバーブッキング

まだまだ毎日のように世間を賑わせているユナイテッド航空の乗客強制降機とオーバーブッキング。もし私がこの乗客と同じ立場だったら、きっと抗議するだけして自ら降機するだろう。だが私の抗議はどこにも伝わらず、アメリカで年間40万人とも言われる、搭乗便変更を余儀なくされた一人となっていたことだろう。この米国医師の男性は体を張って抗議し、他の乗客たちが動画を撮っていたことで瞬く間に世界中が知ることになった。この男性があそこまで騒ぐ必要があったのか、オーバーブッキングしたユナイテッドの対処方法と警察官による乗客の扱いは適確だったのか、など考えさせられるところが多い出来事だったが、実際「搭乗できないかもしれない」と言われるのは予想以上に心を乱されるものだ。

彼此16年程前、私と夫はアメリカ経由でカナダの実家に帰ったことがある。この空港を利用するのは初めてだったのだが、空港で働く人の無礼さに驚いたものだ。言葉遣いから、態度まで何を取っても最悪だった。移民らしい入国審査官は英語のなまりが強く、ネイティブの夫ですら何を言っているか聞き取れないし、夫の言ってることも通じない。それは仕方ないとしても、態度のデカさまでピカイチで一体何様のつもりなのだろう、と驚いた。日本ではあまり遭遇しない種の人間にかなりカルチャーショックを受けたのを覚えている。問題はカナダから日本に帰国するときに起こった。72時間前までにリコンファーム(予約の再確認)の電話を入れ、当日搭乗口に行くと「オーバーブッキングで搭乗できないかもしれない」と言われた。この時点で補償や搭乗便変更の提示などは何もなく出発ギリギリまで待たされた。他の乗客が搭乗後、座席が確保できたので搭乗してくれと言われ乗り込むと、客室乗務員に「別々の席になる」と言われた。搭乗前に席が離ればなれになることには一言も触れず、乗ってから言うという卑劣なやり方にかなり腹が立ち、夫と抗議したがその2席しか空いていないと言うばかりで、ここでも上から目線。近い席ならまだしもかなり離れた席だった。有難いことに私たちに充てがわれた一席の内の隣に座っていた男性が席を移ると手を上げてくれた。私たちはこの男性にお礼を言い、無事予定通りの便で日本に帰国したのだが、他の乗客たちの前で抗議しなければいけない状況を作った航空会社にかなり腹が立ったし、かなり後味も悪かった。悲しいことに私たちの抗議は彼らにとって痛くも痒くもないのが現実だということ。

この出来事以来、どんなにチケットが安くても2度とアメリカの空港とアメリカの航空会社を利用しないと誓った私たち(日本ーカナダ間で。)今回の強制降機のニュースで知ったのだが、16年前私たちが利用した航空会社はユナイテッド航空に統合されていた。今回の出来事が妙に納得できる。